4-25 トンボ捕り
Dragonfly in flight 2 / ahisgett
和歌山でトンボのメスを糸で繋いでオスを釣るのを「かえす」と言う。これをする子供は「ヒョー、ヒョーやんまひょつちんひょー」と唱える。下芳養でトンボをかえすのに「ホーヒーホー」と唱える。鉛山では「ホーヒーホー、かしゃやんまでかえらんせ」と言う。花車すなわち仲居が嫖客を引くようにおとりのメストンボに引かれ来いとの意味か。田辺では単に「やんまほー」と唱える。神子浜では「やんま、こちこーの、猫に怯てこーかいの」と呼ぶ。
交尾しながら飛ぶのを見て「ぢょつかぢょーぢょーお座りなれ」と言えば止まるという。トンボが飛ぶのを手網で捕ろうとするとき「とんぼとーまれ、お寺の背戸で,蝿を取て食わそ」と言えば止まるという。田辺、和歌山などではただ「とんぼとーまれ、蝿を食わそ」と言う。