田辺(たなべ)
現・和歌山県田辺市。
南方熊楠の手紙:履歴書(現代語訳23)
小生は田辺にあって、いろいろの難しい研究を致し申す。例えば、粘菌類と申すのは動物ながら素人には動物とは見えず、外見菌類に似たことが多いものである。
南方熊楠の手紙:神社合祀に関する意見(現代語訳19)
ツグノキ、バクチノキなどは半熱帯地の木で、田辺付近の神林にだけ多かったが、合祀のため今わずかに一、二株を存す。熊野の名産ナンカクラン、ガンゼキランその他希珍の托生蘭類も多く合祀で絶える。
南方熊楠の随筆:紀州俗伝(現代語訳2-3)
田辺辺りで、人が死んで49日目に餅をつく。その音を聞いて、死人の霊魂が、家の棟の上を離れ去る。この餅を寺へ供え、塩を付けて食べるため、塩と餅とを並べて置くのを忌む。
南方熊楠の随筆:十二支考 蛇に関する民俗と伝説(その42)
鶏はよく恐ろしい眼付きで睨むをいうので、この田辺辺で古く天狗が時に白鶏に化けるなどいい忌む人があったは、多少その邪視を怖れたからだろう。白いのに限らず鶏をすべて嫌うた村もあったときく。
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