4-9 早口言葉
田辺辺りでも和歌山市でも、小児の慰みに、「高野の弘法大師、子を抱いて粉を挽いて、この子の眼へ、粉が入って困った、今度から、この子を抱いて粉を挽くまい」と早口に繰り返し、滞りないのを勝ちとする。
30年前、予が日向の人から聞いたのは次の通り、「ちきちきおんぼう、それおんぼう、そえたか入道、播磨の別当、焼山弥次郎、ちやかもかちやあぶるせんずり観音、久太郎別太郎、むこにやすつぼろぽん」。英国にも舌捩(タング・ツイスター tongue twister)といって、同じような言葉を早口に言う戯れがある。