14 サルカキイバラのキクイムシ、蜂蜜
田辺から四里ばかり鮎川という所に、猴掻荊(さるかきいばら)とて鉤曲がりつける葛(かずら)あり、一本ごとに必ず雌雄一対の蠧(きくいむし)住む。黒焼にして服すると脳病を治す、と。猴掻荊とは鉤藤(かぎかずら)のことだろう。西牟婁郡二川村大字兵生で聞いたは、蜂蜜をそのまま用ゆれば通じを開き、温めて用ゆれば瀉痢を止む、と。
田辺から四里ばかり鮎川という所に、猴掻荊(さるかきいばら)とて鉤曲がりつける葛(かずら)あり、一本ごとに必ず雌雄一対の蠧(きくいむし)住む。黒焼にして服すると脳病を治す、と。猴掻荊とは鉤藤(かぎかずら)のことだろう。西牟婁郡二川村大字兵生で聞いたは、蜂蜜をそのまま用ゆれば通じを開き、温めて用ゆれば瀉痢を止む、と。
「紀州の民間療法記記」は『南方熊楠全集 第2巻』(平凡社)に所収。
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