紀州俗伝(現代語訳8-5)

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紀州俗伝(現代語訳)

  • 7-1 目が潰れる
  • 7-2 膈の治療法
  • 7-3 カニの甲羅
  • 7-4 はえ,安倍晴明
  • 7-5 誤りを正して
  • 7-6 波風を鎮める
  • 7-7 怪我したときの呪い
  • 7-8 巨蜂に刺されて
  • 7-9 カマキリ
  • 7-10 フクロウが家の近くで
  • 7-11 はしか
  • 7-12 柚の擂り粉木
  • 7-13 リスは魔物
  • 7-14 塩鰹
  • 7-15 馬
  • 7-16 立里の荒神
  • 7-17 雨栗日柿
  • 8-1 子供をくすぐるとき
  • 8-2 野猪を威す方法
  • 8-3 柚の実と鍼
  • 8-4 葬式の行列
  • 8-5 まめのは
  • 8-6 花咲か爺の異態
  • 8-7 山の天狗様
  • 8-8 木地屋

  • 8-5 まめのは

     

     子供が蚕豆(そらまめ)の葉を息で膨らまして戯れとする。葉がないときに子供を欺く戯れで、「豆の葉やろか」と言い、「欲しい」と答えると、順次眉目喉歯を指差し、その所々の頭字に因んで「まめのは」と唱える。和歌山、田辺、その他でする戯れだ。

    また田辺で子供に教える戯れに、まず眼ふたつを順番に指差し「めっけん(妙見)様へ参って」次に鼻の穴ふたつを順番に指し「花ひとつ取って」両頬と両耳を指して「方々へ聞こえて」胸と口と指し「無念に口惜し」腹と尻を指して「腹切って尻の穴(死んでしまおうの意味)」。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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