蛇
○蛇、紀州で歯が痛む者は、他人が打ち殺した蛇を貰い受け、埋めてこれに線香を供え、拝して念じると効果がある信じる人がいる。
山227頁に白蛇崇拝は偽経より出たことだとある。しかしながら『輟耕録』巻七に、生薪を伐ることを仕事とし貧しかったが、山に入って巨蛇章質盡く白いのを見、逃げ帰ったが白鼠白蛇は宝物が変成したものだということを思い出し、行って捜して金銀を夥しく得たとの話が見えるので、白鼠白蛇を大黒と弁財天の使令とするのは、漢土でも世間で言うことらしい、と『類聚名物考』三三七巻に述べている。