紀州俗伝(現代語訳5-20)

紀州俗伝(現代語訳)

  • 5-1 田辺のコオロギの鳴き声
  • 5-2 卵の殻
  • 5-3 和歌山及び田辺の手鞠唄
  • 5-4 田辺の手鞠唄
  • 5-5 マタタビ
  • 5-6 4人が5人に
  • 5-7 虫除けの札
  • 5-8 胎衣
  • 5-9 揺岩
  • 5-10 数えると落ちる
  • 5-11 何度も言ったら
  • 5-12 モー疝気腹痛
  • 5-13 筆草,筆拭草,金比羅
  • 5-14 犬伏せの呪,蜂伏せの呪
  • 5-15 雷伏せの呪
  • 5-16 寒蝉の鳴き声
  • 5-17 秋の日焼け
  • 5-18 月夜の結婚式ごっこ
  • 5-19 猿を忌む
  • 5-20 護摩焚き,河童
  • 5-21 ムカデ伏せの呪
  • 5-22 味噌桶を洗うと
  • 6-1 石芋,弘法大師

  • 5-20 護摩焚き、河童

     

    河童
    河童(Water Fairy) / Gou 555

     上に述べた崎下氏が言う、
    護摩を焚くときには必ず勝軍木を用いる。爆音を発し黒煙を生じ、凛としたものである。また火渡りを行うには必ず大豆の箕を焚付けとすると。

     同氏の話、
    今年の夏、旱魃で西牟婁郡富田の諸村で水が乏しくなり河童がおびただしく上陸する。藤兵衛という老人が田で働いていると遠方からホーイホーイとしきりに呼ぶ。河童が何を言うか、騙されるものかと嘲っていると突然耳の辺りで異様な大声でアホと呼ばれ、そのまま聾となり、うち臥していると8月1日に話された。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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