5-20 護摩焚き、河童
上に述べた崎下氏が言う、
護摩を焚くときには必ず勝軍木を用いる。爆音を発し黒煙を生じ、凛としたものである。また火渡りを行うには必ず大豆の箕を焚付けとすると。
同氏の話、
今年の夏、旱魃で西牟婁郡富田の諸村で水が乏しくなり河童がおびただしく上陸する。藤兵衛という老人が田で働いていると遠方からホーイホーイとしきりに呼ぶ。河童が何を言うか、騙されるものかと嘲っていると突然耳の辺りで異様な大声でアホと呼ばれ、そのまま聾となり、うち臥していると8月1日に話された。