(民俗(2)4)
この話一向支那書に見えぬが、やや似た事はある。
ユヴェナリスの詩に、カリグラ帝の狂死、ネロ帝の諸悪、いずれもヒッポマネスを用いしに起り、これらの大騒動帰するところは一牝馬の身より出たと見ゆ。支那でも初至の天癸から紅鉛を製し、童男女の尿より秋石を
前日の『大阪毎日』紙に、近藤廉平氏が強壮剤は
東洋にヒッポマネスの話ありやとの問いに応じ調べると、蒙古人大急用の節、十日も火食せずに乗り続く。その間ただ乗馬の静脈を開き
これは牡馬が牝騾に生ませた子で、牡馬と
一昨年(大正五年)十二月の『風俗』に、林若樹君が「不思議な薬品」てふ一文を出し、本邦現存最古の医書
四十年ほど前予が本草学を修めた頃は、京阪から和歌山田辺(想うに全国到る処)の生薬屋に、馬、牛、猴、
予が有名な漢方医家の本草品彙を譲り受けて保存せる中に、今も多少存し、製薬学上の参考要品に相違なければ、そのうち携えて上京し東京帝大へ献納せんと思う。当時大阪の大
およそ媚薬はもと医術と魔法が分立せぬ時、半ば学理半ば迷想に由りて盛んに行われたもので(今日とてもこの類の物が