10-8 神子浜の手毬唄
田辺付近の神子浜の手毬唄は、郷土研究1巻495頁に載せた田辺のものと少し違う。
「薮の中のお金女郎、誰と寝よとて鉄漿(※かね:お歯黒のこと※)付けて、叔父御と寝よとて鉄漿付けて叔父御の土産に何貰た。赤い手拭3尺と白い手拭3尺と、奥の奥へ取り置いて、いつも来る長吉が、ちょっと持って走った。どこまで走った。今日まで走った。
(これより以下、手毬を続けられるように速く突く)
京ん京ん京橋橋詰の、紅屋のおかさん染物は、さても見事に好染まる。雀の小枕独楽車、行灯車に水車、水は無いとてお宿まで、お宿長崎腰掛けて、申し申し子供衆様、ここはナーンという所、ここは信濃の善光寺、善光寺様へ願籠めて、梅と桜と上げたれば、梅は酸いとて憎まれて、桜は可とて誉められた」