鰻
○鰻、「紀州の某所に片目の鰻がいる。これに祈れば必ず雨が降る」ということが『紀伊国名所図会』にあったと思われる。伊豆三島の神が鰻を神使とすることが『明良洪範』『東海道名所記』などに見える。多島海人は鰻及びハモを神とすることが Waitzu Gerland,' Anthropologie der Naturvolker,' 6te Theil, Leipzig, 1872, s. 280, 296. に出ている。『老媼茶話』に慶長16年蒲生秀行が只見川に毒を流す前に、大鰻が僧に化けてこれを止めようとしたことを載せる。今も紀州で大鰻が池の主であると伝える所がある。