デカメロン

南方熊楠の書庫

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    『デカメロン(十日物語)』は、14世紀イタリアの大作家ボッカッチョによる物語集。
    大流行したペストから逃れるために郊外の邸宅に10人の男女が引き篭もり、退屈しのぎに10人がおもしろおかしい話を語る。
    1日10話、10日かけて全100話。



    デカメロン

    南方熊楠の随筆:鶏に関する伝説(その31)
    それについてまた可笑しきはボカチオの『イル・デカメロン』に、僧が主人に対してアリストテレスは賢人の七徳とかを述べたが、わが従僕また七徳ありとてその過失を指折り数え立てるところがある。英国の弁護士で『デカメロン』の諸話の起因と類譚を著わしたエー・コリングウッド・リー氏が出板しゅっぱん前に書を飛ばして、予が知っただけの事を洩もらしくれ編入したいからと言うて来たので、多少書き送った内に、この譚の類話として鶏と猫の五徳を書き送ったが、従僕の七徳として実はその七徳を嘲あざけった譚は読んだ事なしというて来た。


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