12-6 畑泥棒への罰
明治13、4年頃、海部郡(今の海草郡)湊村のスイカ畑を通ると、太い杭を立てた道端に制札を設けて、「野荒し致し候者はこの杭に縛り付け小便相掛くべき者也 村中」と書いてあった。ここに限らず田畑の成り物を盗む奴を捕らえればそのような杭に縛って晒し、村民大勢打ち寄って、犯人の頭と言わず顔と言わず、時ならぬ雨を注ぎ掛けた風習が、紀州の諸村にあった。
明治13、4年頃、海部郡(今の海草郡)湊村のスイカ畑を通ると、太い杭を立てた道端に制札を設けて、「野荒し致し候者はこの杭に縛り付け小便相掛くべき者也 村中」と書いてあった。ここに限らず田畑の成り物を盗む奴を捕らえればそのような杭に縛って晒し、村民大勢打ち寄って、犯人の頭と言わず顔と言わず、時ならぬ雨を注ぎ掛けた風習が、紀州の諸村にあった。
「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。
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