(竜の起原と発達2)
まずクック氏は、蛇類は建築物や著しき廃址に寓し、
あるいは蛇の命長く、定時に皮を脱ぎかえるを見て、霊魂不死と復活を信ずるに及んだ民もあるべしと述べて、竜の諸譚は蛇を畏敬するより起ったように竜と蛇を混同してその崇拝の様子や種別を詳説されたが、竜と蛇の差別や、どんな順序で蛇てふ観念が、竜てふ想像に変じたか、一言もしおらぬ。
上に述べた通り、古エジプトや西アジアや古欧州の竜は、あるいは無足の大蛇、あるいは四足二翼のものだったが、中世より二足二翼のもの多く、また
これは仏経に多頭竜王と訳したもので、梵天の孫
『
卑民これを殺さば必ず礼を以て火葬し、そのやむをえざるに出でしを
昔アリア種がインドに攻め入った時、那伽種この辺に栄え、帽蛇を
かく那伽はもと帽蛇の事なるに、仏教入った頃の支那人は帽蛇の何物たるを解せず、その