正岡子規

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  • 正岡子規(まさおか しき)

    正岡子規(1867年〜1902年)。俳人・歌人・国語学研究家。
    俳句・短歌・新体詩・小説・評論・随筆などを創作。日本の近代文学に多大な影響を及ぼす。 結核を病み、34歳で亡くなった。

    熊楠とは大学予備門で同窓生でした。



    正岡子規

    南方熊楠の手紙:十二支考 鶏に関する伝説(その12)
    これに似た落語を壮年の頃東京の寄席で聴いたは、さる男、吉原で春を買いて勘定無一文とは兼ねての覚悟、 うま 男を随えて帰る途上、一計を案じ、知りもせぬ石切屋に入りてその親方に小声で、門口に立ち居る男が新死人の石碑を註文に来たが、町不案内故 通事 つうじ に来てやったと語り、さて両人の間を取り持ち種々応対する。用語いずれも意義二つあって、石切屋には石の事、附け馬には遊興の事とばかり解せられたから、両人相疑わず、一人は急ぐ註文と呑み込んで石碑を切りに掛かれば、一人は石を切り終って 揚代 あげだい を代償さると心得て つ内、文なし漢は両人承引の上はわれここに用なしと挨拶して去った。久しく掛かり碑を切り終って、互いに料金を要求するに及び、始めて食わされたと分るに及ぶ。その詐欺漢が二人間を通事する ことば なかなか うま く、故正岡子規秋山真之など、毎度その真似をやっていたが余は忘れしまった。今もそんな落語が行わるるなら誰か教えてくだされ。


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