中芳養村(なかはやむら)
現・和歌山県田辺市中芳養。
南方熊楠の随筆:紀州俗伝(現代語訳1-1)
西牟婁郡中芳養村境大字、30戸ばかりが固まって立つ。墓地が池の傍らにある。村の人が死ぬ毎に老狐が池の藻をかぶって袈裟とし、殊勝な和尚に化けて池のほとりを歩いた。毎年12月になると、「日がない、日がない」と鳴く。正月まで日数が少ないとの訳だ。
南方熊楠の随筆:紀州俗伝(現代語訳4-2)
同郡中芳養村「どろ本」の石地蔵は畑のなかに立っている。雨乞いにこの像を首まで川水に浸す。
南方熊楠の随筆:紀州俗伝(現代語訳8-3)
西牟婁郡中芳養村の伝説にいう。柚の実をすべて味噌に漬け置けば盗人が入ってくるのを必ず知って「ゆうぞ(言うぞ)」と罵る。ゆえに家毎に用意すべき物だと。
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