1902年2月21日
◇二月二十一日 快晴、暖かだ
午後4時過ぎまで在寓、小蜘蛛とコンフェルヴァのプレパラートを作っている最中にグリスリン膏のつめしつかりせしため試験管が割れる。今夕和歌山へ注文する。それから那智川辺のヂアン(慈庵)の滝で採集、チャントランシヤ1種が滝に打たれる石の上にあるのを多くとる。
夜、12日から今日までの払いをする。3円50銭、他に草履、タバコ等28銭。常楠の手紙1通を受け取る。
今夕までに集めた熊野地方無花植物、784種。
変形菌1種、菌257種、地衣234種、藻183種、苔35種、蘚74種
メモ
コンフェルヴァ(conferva)は糸状藻類。
1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収