1902年2月20日:南方熊楠日記(現代語訳)

1902年2月20日

◇二月二十日 雨

本月16日にとったキシミが今日の午後まだ空ファセアルの中で生きてるのを炙り殺す。終日在寓、藻のプレパラートを作る。

昨夜当村社祭の神楽が済んだところへ金山(かなやま)の鉱夫20人ばかりが乱入、しこみ杖を持ったのも1人いた。村中の壮者80人で闘い、双方怪我人があった。金山の者が1人死に瀕する。西岡巡査が来たが手に合わない。タカ島へ巡査を呼びに行き、一同は飯を炊き、集って待っているとのことだった。

本日夕方までに獲た熊野無花植物、776種。
  変形菌1種、菌251種、地衣234種、藻182種、苔35種、蘚73種

帰国よりの総計、1953種。


メモ

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1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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