1901年12月10日
◇十二月十日 快晴
朝、下婢お松が芝居からの帰途、川岸で藻(ノリ)を採って来る。10時頃、勝浦駐在の奥修一郎、天満駐在の西岡庄五郎(和佐氏)、水上警察署の野田竹次郎三巡査が来て、3時頃まで顕微鏡を見、また酒を飲み、飯を食う。
その船に乗り、予は勝浦に行き、利助方にて荷物を受け取り、渡船で帰る。船中にてタバコの火が移り、袷のすそを2寸ばかり焼き抜ける。帰ると、九兵衛が前に来てこのような□□を1くれていた。小船から下りるとき予は左足の脛の下を切り、ちょっと傷つく。湯に入って寝る。
東山杉松が雑賀崎へ帰る。利助方へ札かえに来るのに遭う。
メモ
1901年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収