1901年11月26日
◇十一月二十六日 晴
利助に托して島津製作所へ1円60銭、秀助へ50銭送る。早朝、家の嫁及び雑賀崎の客及び阿波の人(この人は今日去る)と共に勝浦に行き、海底をかく道具を借りる。ろくなものがない。予は利助の妻と話し、帰る。
昼飯を早く済まし、宿主源吉夫妻、お松(下女)と4人で千畳敷から福井で遊ぶ。船で珊瑚類2、海藻5種ばかり取る。帰ると、松浦梅吉(芸州安勢丸船長)及び新船主等が来ていて夕飯まで話し、それから藻類を整理。
夜、上記船長の従弟という者が隣室でお松をからかい、お松は大声で唄い、面白いことを聞く。この男は雑賀崎の人と1室で寝る。
メモ
1901年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収