1900年9月17日
◇九月十七日 [月]
朝飯前に甲板上で、岡崎、宮永、大高等を相手に『土佐日記』の「ほやのつまのいずし」の条を講ず。
午後、一同暑さの耐えかね昼寝。セキレイが飛んで来る。セキレイも一度教えて呆れはて、の句を講ず。
Lat. 13° 53' N. Long. 42° 53' E. Course var. Dist. 290.
メモ
『土佐日記』の「ほやのつまのいずし」の条。
船に乗り始めし日より船には紅こくよききぬ着ず。それは海の神に怖ぢてといひて、何の蘆蔭にことづけてほやのつまのいずしすしあはびをぞ心にもあらぬはぎにあげて見せける。
詳しくは「馬に関する民俗と伝説(その52)」で。
1900年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収