1902年3月24日
◇三月二十四日 陰、時々微雨が降る
午後、中村氏に行き、治療を受ける。それから宇須村から塩屋を経て小堀氏を訪ねるが、不在。しばらく待つうち帰る。同氏は予のために買い集めた風蘭、石斛(せっこく)6品と、予が熊野から持って来たオサラン、マメツタランと水苔にもりくくる箱を作ろうとしたが、小畦氏より通信があるまで待つこととし、夜に入って、同氏に高松茶屋まで送られ、帰る。10時前である。
この日の夕方、小堀氏方で西郷南洲の書詩を見る。岡本兵四郎氏蔵とのこと。
帰路、雑賀屋町辺で天理教会で男子5人ばかりが扇を持って踊るのを見る。
夜1時までマファッフィーの『グリークライフ・エンド・ソーツ』を読む。
メモ
1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収