1902年2月28日:南方熊楠日記(現代語訳)

1902年2月28日

◇二月二十八日 曇、午後少し晴れたけれどもまた曇り、あるいは小雨

午後2時前からくらがり谷で採集、陰陽の滝を初めて観る。その西岸辺でリュウビンタイを多く見出し、4本ばかり根から取ってくる。胴乱がはなはだ重い。帰ると暗くなっている。隣室へ大和の行商2人が泊まる。夜は大雨で、また風が強い。

今月中に獲たのは393種。1日に14と1/28のわりである。

今夕までに集めた熊野地方無花植物は、862種。
  変形菌1種、菌309種、地衣246種、藻192種、苔40種、蘚74種


メモ

リュウビンタイ科は熱帯亜熱帯の森に自生する大型の常緑性シダ。日本では2属5種自生する。

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1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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