1902年2月24日:南方熊楠日記(現代語訳)

1902年2月24日

◇二月二十四日

朝在寓、藻のプレパラートを作る。午後、那智川に出て、採集。途中、岩を踏み外して水中に尻餅をつく。衣が濡れたので帰る。夜、隣室へ下記の2人が泊まる。有馬氏は平岩内蔵太郎と7、8才のとき小学校で同学したとのこと。平岩内蔵太郎は今は朝鮮に渡り、すでに2、3年になり、妻等と呉服商と染物を営んでおり、士族中第一位であると。同氏の父は80ばかりで現存とのこと。2人に顕微鏡標本を少々見せる。この夜、雨。

  有馬氏松 38、9の人
  島田八蔵 18才 はなはだ松原鋭蔵に似ている人だ。

今夕までに集めた無花植物は、809種。
  変形菌1種、菌273種、地衣235種、藻189種、苔37種、蘚74種


メモ

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1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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