1902年2月18日:南方熊楠日記(現代語訳)

1902年2月18日

◇二月十八日 快晴 本日暖か、虫が多く飛ぶ

午後11時過ぎにちょっと出て、フウトウカズラの実のなっているものを取る。午後、宅後の山を歩き、金山(かなやま)の上に至り、さらに西北へ登り、宅後の上の墓場(イガノバといって那智神官等を葬った場所)〈[追記]ここにジツカガ行者といって12年ばかり前に滝上から飛び下り亡くなった人の墓がある。大坂の講中より建てたという〉より直下して帰る。菌、地衣を若干得た。

夜早く臥し、其磧自笑の『傾城禁短気』と『楽(たのしみ)日記』を読む。

本日夕方までに集めた熊野無花植物、761種。
  変形菌1種、菌245種、地衣229種、藻179種、苔35種、蘚72種


メモ

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1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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