1901年12月23日
◇十二月二十三日 晴
朝、宮の門松を切りに来た男が中野氏からの伝言で、予に那智行きを勧める。予は寒さを理由に辞す。中野夫婦、富助が和泉の植木屋に行く。
予は終日在寓、午後に鎺(はばき)吉里氏が舟人と来る。この間にお君が来て、米国の夫から来た手紙のことを悲しみ泣く。お松は尻へ根太ができて臥しているのを吉里氏が布団を取ったといって共に泣く。
今日まで整えたのは、藻142種、菌45種、地衣25種、蘚14種、苔3種。
メモ
根太(ねぶと) ももや尻などにできる腫れ物。
1901年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収