1901年12月2日
◇十二月二日 晴
暁前大雨、予の枕頭に雨漏り、あり合わせていた金だらいで受ける。朝になって漁船が多く入る。苫を乾かすためである。予は終日部屋にいて、藻類のプレパラートを作る。
夕方、撫養浅吉方の船頭がちょっと入ってくる。断ると出て行く。夜、安勢丸から2人(1人は船長の従弟)来る。東山杉松(雑賀崎客人、先日より上りある者、今夜去ろうとするが夜大風で止める)の室にて予は小話する。
今日まで調えた藻類は104種。内
珪藻5種、碧藻21種、緑藻29種(その内装えていないのが3)、褐藻19種、赤藻29種(その内装えていないのが6)、輪藻1種
淡水藻44種 鹹藻60種
メモ
1901年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収