1902年4月28日:南方熊楠日記(現代語訳)

1902年4月28日

◇四月二十八日 快晴

朝、喜多幅氏の手紙1通を受ける。

午後、城内を通り、苦参(くじん)をとり、並木氏を訪ね、立話し、苦参を渡す。

牛を洗うことを数える。それから岡山、宇須より小堀氏を訪ね、ちょうど同氏が小畦氏におくる風蘭5品(針葉、玉川、淀フクリン、セツキヨウジ、タカクマトラ 以上三上等)を荷造りし、予方に持って来ていて不在中であった(これは店から直に神戸へおくる)。

同氏の小児2人と竹林中で菌数種とラショウモンカヅラを採集、夕飯を食っていたところへ小堀氏が帰って来る。労を慰めるため35選渡す。8時過ぎに同氏が新堀道具屋チヨチヨ楠方へ行くというので同道し帰ると10時、入湯して臥す。

小堀氏が今朝愛宕山の笹の下に生じるモルシェラ M. elatior の2顆1根のものをくれる。同氏の庭園の水路の中で Dumortiera hirsuta Nees か、果実のあるのを獲る。


メモ

苦参(くじん)はマメ科の多年草、クララ。有毒。根は薬用となる。

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1902年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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