1900年9月28日
◇九月二十八日 [金] 雨
船が揺れること、甚だしい。
朝、甲板上で地衣を整理。それから橋爪、大高氏と将棋し、1度も勝てず。午後、甲板上にて岡崎氏と話し、また地衣を調べる。夕方、雨が甚だしく降る。一同、室に入る。予が酒を買い、橋爪、岡崎氏と将棋の傍ら、飲む。夕飯前、金田、松岡氏と話す。 船長、航路を失い、スマトラ島を左に見るに及び、大いに進路を転ずる。夜、雨が甚だしく降る。大高、橋爪、岡村、岡崎氏と飲む。
Lat. 5°54' N. Long. 93°59'E. Course S.89E. Distance 277mls.
メモ
ロンドンから帰国の途上。
1900年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収