1897年9月3日
◇九月三日 [金]
午後、斎藤氏を訪ねる。鎌田氏が来る。しばらくして去る。予は斎藤氏方で飯を食い、共に鎌田氏方に行くと徳川世子もいて、共に汽車でキューに行く(ステーションにておよそ1時間待つ)。ダイヤー氏に会う。ちょっと案内され、氏と別れ、4人汽車でアールスコート停車場に行き、そこで予は別れ、トテンハムコート・ロードに行き、飯はひかえる。
メモ
徳川世子は、紀州藩第14代藩主徳川茂承(もちつぐ)の世継ぎ、徳川頼倫のこと。
ダイヤー氏はキュー王立植物園の園長。
1897年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収