スッポンと雷(現代語訳2)

スッポンと雷(現代語訳)

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  • 英国ヴァージニア州の話

     

    スッポン
    soft shell turtle / me and the sysop

     『人類学雑誌』29巻4号160頁の拙文を英訳して『ノーツ・アンド・クィアリーズ』へ出したところ、今年4月25日の同誌335頁にノルウィッチのヒブゲームという人が答えていうには、

    英国ヴァージニア州の人および多少の白人も、スッポンが物に噛み付くと雷が鳴らなければ放さないと信じる。また亀も左様だと聞いたが、亀が噛み付いた例を知らない。老いた猟師の話で、雷雨中、蛇は毒を出すことができないと聞いたこともある。このような動物は空中の電気状況でだいぶ平日と変わって来るらしい、と。

    熊楠曰く、24〜25年前、予はミシガン州アナボアの郊外の林間の池で、甲羅の長さ7インチばかりの亀を捕ろうとして人さし指を咬まれたことがある。また日本の亀に餌をやろうとして誤って咬まれたこともある。いずれも手を引いてすぐに放すことができた。

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    「鼈と雷」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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