紀州俗伝(現代語訳8-4)

紀州俗伝(現代語訳)

  • 7-1 目が潰れる
  • 7-2 膈の治療法
  • 7-3 カニの甲羅
  • 7-4 はえ,安倍晴明
  • 7-5 誤りを正して
  • 7-6 波風を鎮める
  • 7-7 怪我したときの呪い
  • 7-8 巨蜂に刺されて
  • 7-9 カマキリ
  • 7-10 フクロウが家の近くで
  • 7-11 はしか
  • 7-12 柚の擂り粉木
  • 7-13 リスは魔物
  • 7-14 塩鰹
  • 7-15 馬
  • 7-16 立里の荒神
  • 7-17 雨栗日柿
  • 8-1 子供をくすぐるとき
  • 8-2 野猪を威す方法
  • 8-3 柚の実と鍼
  • 8-4 葬式の行列
  • 8-5 まめのは
  • 8-6 花咲か爺の異態
  • 8-7 山の天狗様
  • 8-8 木地屋

  • 8-4 葬式の行列

     

     田辺で葬式の行列に加わり行く者が過って倒れると死人とともに葬られると言ってはなはだ凶とする。

    また嫁入り道具を他家の葬式とともに遣るのを大吉とする。行って還らないという意味だろう。去年12月21日、予の知人の子の葬列のなかを突貫して以前田辺町長だった人の娘の道具を運び、笑いながら人足らが行った。まことに人情に外れた仕方だと思う。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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