紀州俗伝(口語訳10-8)


紀州俗伝(口語訳)

  • 9-1 人柱
  • 10-1 弘法大師と麦
  • 10-2 客を呼ぶまじない
  • 10-3 灯花
  • 10-4 料理屋のまじない
  • 10-5 褐色の瞳
  • 10-6 字を書いた紙で
  • 10-7 トンビとカラス
  • 10-8 神子浜の手毬唄
  • 10-9 手毬唄の続き(田辺)
  • 10-10 神子浜の手毬唄の最後
  • 10-11 和歌山,田辺の手毬唄
  • 10-12 葬儀と魚
  • 10-13 荒神様畑を焼く

  • 10-8 神子浜の手毬唄

     

    手鞠
    手鞠 / Temari / chidorian

     田辺付近の神子浜の手毬唄は、郷土研究1巻495頁に載せた田辺のものと少し違う。

    「薮の中のお金女郎、誰と寝よとて鉄漿(※かね:お歯黒のこと※)付けて、叔父御と寝よとて鉄漿付けて叔父御の土産に何貰た。赤い手拭3尺と白い手拭3尺と、奥の奥へ取り置いて、いつも来る長吉が、ちょっと持って走った。どこまで走った。今日まで走った。

    (これより以下、手毬を続けられるように速く突く)

    京ん京ん京橋橋詰の、紅屋のおかさん染物は、さても見事に好染まる。雀の小枕独楽車、行灯車に水車、水は無いとてお宿まで、お宿長崎腰掛けて、申し申し子供衆様、ここはナーンという所、ここは信濃の善光寺、善光寺様へ願籠めて、梅と桜と上げたれば、梅は酸いとて憎まれて、桜は可とて誉められた」

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。




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