1901年12月7日:南方熊楠日記(現代語訳)

1901年12月7日

◇十二月七日 晴

朝、政一が来て、島津製作所から着雲母及び太地にて採った介甲虫1、フナムシのように大きさ3寸ばかりのものを持って来る。終日部屋にいて、菌3種図し、藻類を整える。朝と夕方、安勢丸の船人が来てお松を嬲るのが、面白い。同女は昨夜芝居を見に行ったという(昨夜より聞く)。

夕方、阿波の岡田九兵衛(カンコぶねに乗って毎冬1人で来る者)が来て、酒を飲ませてやると大いに喜ぶ。(この老人に似ているいま1人は、船を出すとき汽笛の代わりに屁を長くへりゆくこと)

本日まで整えた藻類は116種。
  珪藻5種、碧藻26種、緑藻32種(その内装えていないのが3)、褐藻20種、赤藻32種(その内装えていないのが7)、輪藻2種
    淡水藻51種 鹹藻65種


メモ

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1901年の日記は『南方熊楠日記〈2〉』に所収

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